ランチタイムの放射線科

卓話の世界

ランチタイムの放射線科

済生会吹田病院 放射線部長
廣橋 里奈 様

「放射線科」はあまり皆様になじみがなく、“恐ろしい”感じがするかもしれませんので、今回簡単にご紹介させていただきます。
放射線科の三本柱は①画像診断、②IVR(インターベンション)、③放射線治療です。①の中にはレントゲン撮影、検診などでバリウムを飲んで撮影する胃透視やCT、MRI等があります。ほかに乳房撮影装置(マンモグラフィー)、核医学診断装置、骨塩定量装置などもあります。当院では64列、320列の多列CTをそろえており、320列CTでは16cmの範囲なら最短0.35秒で撮影でき、文字通り「あっという間」もありません。この速さは心臓の撮影に最も威力を発揮しますが、そのほかじっと出来ない子供さんや高齢者の撮影にも有用です。また最近の装置は様々なソフトにより被曝低減がはかられており、関連施設である健都健康管理センターの装置では、胸部レントゲン数枚分の線量で胸全体のCT画像を得ることができますので、健診に安心して使用でき、早期の肺癌の検出などに威力を発揮することが期待されています。
MRIは頭の中、関節の中などを、寝ているだけで鮮明に撮影できます。MRアンギオ(MRA)は薬を使わず血管の情報を得ることができ、また胆管や膵管といった直接検査するには苦痛を伴うような部位も、苦痛なくわずか10分ほどで検査できます。
核医学検査は微量の放射性物質を注射することで、様々な機能を知ることができる検査です。特に最近では認知症の診断に有用な検査がたくさん開発されており、30分ほどの検査で認知症のタイプを診断できる場合があります。
各種画像で診断したあと、治療に関しても放射線科がお役に立つことがあり、その一つ目がIVRです。足の動脈が細くなり痛みを感じる閉塞性動脈硬化症では、CTで診断したあと、細い管(カテーテル)を用いて狭窄した血管を広げることで治療します。あるいは肝臓癌を診断したあとカテーテルを腫瘍の近くまですすめて抗癌剤をいれる塞栓術での治療を行います。
さらに診断で癌が見つかった場合、放射線治療は手術、抗癌剤とならんで治療の三本柱の一つです。放射線治療だけ、あるいは抗癌剤とあわせて治療することで、苦痛が少なく、大きな形態変化を伴わずに完治できる病気も多くあります。当院では高精度放射線治療装置を備えており、前立腺癌をはじめ多くの癌治療に威力を発揮しております。
“恐ろしい”というより“やさしい”放射線科というイメージを抱いていただければ幸いです。

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