卓話 2019年09月19日

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弱者のない社会を社会を目指して


ジャパンハート
百瀬 雄太 様

 ジャパンハート百瀬雄太です。2016年よりミャンマー事業責任者としてミャンマー駐在、2019年より理事・海外事業統括になりました。この度は、吹田RC様のグローバル補助金を利用した奨学金をご検討頂いておりますこと、心より感謝申し上げます。本日は、ミャンマー視覚障がい者自立のための法整備支援、そして私自身の公共政策大学院志望動機をお伝えできればと思います。
 ミャンマーでは長年の軍事政権下の影響で、障がい者は非常に厳しい状況に置かれています。発展途上国では、弱者を保護する法律/政策が存在しないため、社会に出る機会がない障がい者が多くいます。先進国ではこうした弱者が社会に出るための法律/政策が存在します。韓国や台湾では、視覚障がい者には医療マッサージが適職であると考え、視覚障がい者のみしか医療マッサージ師になれない法律が存在します。ジャパンハートは2010年より視覚障がい者自立支援事業として医療マッサージ訓練を行ってきましたが、先進国と同様の法律/政策がない限り、状況は良くなりません。そのため、ミャンマー政府とともに政策委員会を立ち上げ、視覚障がい者に関する法律/政策立案を行っています。先進国の法律を参考に1条ずつ、ミャンマーにこうした法律を当てはめる議論をしています。
 将来は、医療や社会福祉、特に障がい者など弱者を中心に、発展途上国の人々の状況が良くなる政策立案をしていきたいです。具体的には、一度ジャパンハートに戻った後、国連アジア太平洋経済社会委員会でアジアの地域的枠組みを作りたいです。そのため、大学院では公共政策学部で社会政策を専攻します。シンガポール国立大学またはロンドン・スクール・オブ・エコノミクスにて 1.「発展途上国」という文脈での政策立案 2.政策の倫理観を学びます。
 吹田RC様には、ジャパンハートへのご支援に加え、大学院奨学金をご検討頂いておりますこと、心より感謝しております。NGOに勤務し、寄付を頂く度にご寄付者の切実な想いが詰まっていることを感じます。貴奨学金を受けることは、そうした寄付が自らのために頂くことになります。寄付を頂くにふさわしい人間性が持てるよう、全力で努力してまいります。
 吹田RC様とは2017年ドップラー寄贈PJ、2018年ドクターカー寄贈PJに携わりました。将来もジャパンハート職員としてRC様とミャンマーはじめ途上国との橋渡しをしたいです。今回の奨学金のご検討、重ねて感謝申し上げます。