卓話 2015年05月07日

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関西の経済と戦略特区活用について


前 大阪府政策企画部特区推進監
北野 義幸 様

■イノベーション国際戦略総合特区の概要  総合特区事業は、総合特別区域法に基づき、関西3府県の9地域で特区指定、医療分野とグリーン分野のイノベーション創出を目的に指定を受けています。インセンティブとして投資税額控除等があり、国家戦略特区も含め色々な制度をご紹介しますので、今後の大阪・関西の発展のためにご活用いただければ幸いです。

■取り組みの背景  工業統計で出荷額の上位5番目、小分類の出荷額の品目別でみた関西の産業構造の推移(繊維から電気、化学・医薬品)を踏まえ、関西の強みを背景に、国際戦略総合特区を提案しました。

■関西イノベーション総合特区の成果  合計49プロジェクト、投資額約630億円。規制改革は関空での医薬品輸入電子化等です。

■認定プロジェクトの紹介  京都、大阪、兵庫で製薬企業とベンチャー企業が特区インセンティブを活用。あと、バッテリー等のグリーンイノベーション関連企業とインフラ整備です。

■国家戦略特別区域法の概要  国家戦略特区は3府県全域で指定。医療等のイノベーションとチャレンジ人材の育成支援で規制改革の活用がメインですが、投資税額控除等は3府県全域で可能となりました。

■国家戦略特区で取り組む規制改革事項  医療関係では、病床規制の特例による病床の新設・増床の容認、保険外併用療養も、一定の条件の下に、認められました。エリアマネジメントに関する特例や旅館業法の特例(大阪府市議会で否決となり再提案予定)。公設民営学校などで法規制の特例といった初期メニューが先に決められ、活用可能です。

■関西圏国家戦略特区の取り組み成果  保険外併用療養の特例(阪大、国循C、京大)。国循C等で第1号が始まります。病床の増床特例(神戸アイセンター)、雇用労働相談Cの設置、うめきたのエリアマネジメントが認められた道路法の占用許可の特例。兵庫県篠山市での歴史的建築物利用宿泊事業。京大に立地するメガカリオンのiPS細胞由来の血小板製剤供給事業に対する投資税額控除、固定資産税の特例などが認められています。

■再生医療の動き  医療機器医薬品の薬事法の改正と、再生医療新法が世界にインパクトを与えています。  再生医療の臨床実績は歴史的に関西に、京大、阪大、理研と我が国を代表する集積があり、世界初のiPS細胞を使った網膜治療や、患者の足の筋肉組織で心筋梗塞患者の治療実施などが夢物語ではなくなって来ています。  引き続き、革新的医薬品開発事例等の継続や国循Cの移転整備が、日本の医療イノベーション、北大阪の将来に大きな意味を持ってきます。皆様の可能な分野でご協力をお願いします。