卓話 2019年11月21日

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ドイツ人が見た東西文化の違いについて


グリーンワルト財団第18期生
リッチウス・レオン 様

 私は現在グリーンワルト財団第18期奨学生として吹田に住んでいますが、関西に来る前に慶応大学の留学生として5カ月間東京に住んでいました。ドイツ人として東西両方の生活経験の中から自分が感じた双方の違いを皆様に発表したいと思います。
 先ず、食事と食材についてですが、味噌は関西が白味噌、関東が赤味噌、そして大阪には代表的な料理としてお好み焼き、たこ焼き、焼きそばがありますが、関東には特別な料理は有りません。しかし、東京では地方のどんな料理でも食べる事が出来ます。大阪の人は美味しい料理を食べるという貪欲さがありますが、東京の人は毎日安いものを食べる感じです。しかし、たまには最上級のレストランで散財します。関西にはチェーン店が少なくて最上級のお店もあまり有りません。関東は沢山のチェーン店が有り、最上級のレストランも沢山あります。
 次に人々の性格についてですが、関西の人は暖かくて人懐っこい人が多いですが、関東の人は冷たくて、いつもストレスを抱えている人が多い様です。関西の人は人を助けるのに躊躇しませんが、関東の人はいつも時間がなくて忙しい人達です。関西人はオープンでダイレクトに話をされますが、関東人は溝を作って本心がわかりません。特に関西人はユーモアたっぷりに話をされますが、関東人は関西のお笑いをテレビで見る感じです。また、関西では突飛な事が好まれ、関東はユニフォームを着る様な雰囲気です。
 ここで、目をドイツに転じてみますとドイツにも同じ様な地域文化の差があるのです。例えば、ミュンヘンとハンブルグを比較しますとミュンヘンは博物館として、ハンブルグはエルベハーモニーに代表されるコンサートホールがあります。また、ミュンヘンの人達は大阪と同じ様にユーモアに富み大きな声でビールを飲みますが、ハンブルグの人は静かでワインを飲み礼儀正しい人々です。この様にどの国においても文化の違いが存在するのですから、1万キロも離れた日本とドイツでは大きく文化が違うのは当然で、その違った文化の相互理解が重要であると思います。
 この様な活動を通じて、私は将来に亘って日本とドイツの架け橋となっていきたいと思います。