卓話 2018年11月08日

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我來介紹一下


米山奨学生
王 韻茹 様

 我來介紹一下—私を紹介します。
 外国人は台湾に対して料理がおいしい、台湾101タワーがあるなどのイメージが多いですが、裏の台湾に関してそうではありません。私の裏の台湾−私の故郷である雲林県は台中と台南の間にあり、台湾の農業首都として名が響いています。雲林の名産物といえば、台湾のとろみ醤油とお祝いお菓子の大餅(ダービン)です。「丸荘醤油」は明治42年にて創業した百年老舗で、台湾のとろみ醤油の一流メーカーです。《日本の誠実な食品》という本の中で、丸荘醤油は初の海外の醤油メーカーとして、海外の誠実な食品編に収録されました。また大餅は職人に中身を綠豆餡、塩漬け卵と千切りのポークジャーキーで作られ、台湾では娘が嫁入りの際に親友に配ることで喜びを分かち合い、召し上がれるため、同じく幸せになるようにお祈りをするという意味があります。
 田舎の雲林では、私と日本が繋がったきっかけは私の日本の演歌を聞くことが好きな父親で、日本語は私にとって子供の頃から親しみな言語です。また大学の先生に日本で栄養学を勉強することをすすめられ、それ以来日本への留学を考え始め、今のラボに来ました。私は国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所のワクチンマテリアルプロジェクトに所属し、教授の國澤 純先生と研究員の細見晃司さんの下で研究を進めています。私は腸内細菌の菌体成分を用いて、その機能を解明し、医薬品への応用について研究しています。
 最後に交通手段と買い物の習慣における日台の違いについてのことです。台湾ではバイクがメインな通勤手段で目的地まで歩かずに到着ですが、日本では電車で駅や目的地まで結構歩くことで、最初は大変でした。それに日本の電車は台湾では滅多に起きない人身事故が多くて、私には妙な風景です。また買い物の習慣について、台湾人がよく買い物しにいく場所はスーパーより、いいものを値切って買える伝統市場です。これに対し、日本のスーパーは半額などの割引があり、台湾ではあり得ないことで不思議な感じをいだいています。
 米山奨学生としての生活は素晴らしくて、吹田RCの秋の家族会や米山奨学会の宝塚大劇場の鑑賞会などのイベントはいずれも楽しいです。研究と生活は忙しいですが、吹田RCの皆様はいつも親切に私を応援くださっていることで、日本は私の第2の故郷になりつつあると感じています。心より感謝を申し上げます。