卓話 2018年09月27日

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盲導犬訓練所について


社会福祉法人
日本ライトハウス盲導犬訓練所

所長 田原 恒二 様

このような機会をいただきました吹田RC様のご厚情に感謝申し上げます。そして、子犬を盲導犬にする補助犬育成期間中に、乗り物に順応させるための馴致用重機ハンドリフターをご寄贈いただくことになりました。この機械は子犬のうちに特に高低差に馴れることを目的に使用します。また、盲導犬認定テストにこのリフトを使用しますから、すべての候補犬たちがこのリフトに乗ることになります。改めまして感謝申しあげます。
 日本ライトハウスは、大正11年、岩橋武夫氏が点字図書の制作を開始したことに始まります。
 昭和40年、日本初の視覚障害リハビリテーションセンターを開設しました。昭和45年には盲導犬訓練 事業を開始し、昭和48年に第1号の盲導犬リンダが誕生して、現在、720頭を超えています。今、日本国内で活躍中の950頭のうち136頭が当ハウス出身の盲導犬です。年間20頭作出を目標に繁殖計画を立て、13回の出産で60頭程度の仔犬を生ませます。子犬は母犬とともに繫殖ボランティアのお宅で2か月間を過ごします。その後、パピーウォーカー(子犬飼育ボランティア)の家庭で約10か月間育てられます。
 満1歳になると訓練所に帰ってきます。そして1週間のテストを受けて盲導犬になるか、なれないかを判定します。合格後、6カ月以上の訓練を受け、盲導犬としてユーザー(視覚障害者)と共に4週間の入所訓練を受けた後、ユーザーの自宅へと帰ってゆきます。そして、職場への通勤や娯楽にも出かけて社会の一員となります。ユーザーと盲導犬にとっては、社会の受け入れ体制が最も大切です。近所の方や職場の仲間、電車やバスの中で出会う多くの人々の温かい応援と支えによって、両者は自立してゆくのです。そして、2歳から10歳までの8年間を共有して暮らします。犬の引退時期と引退先は、犬が10歳になる頃、ユーザーと相談しながら犬の健康状態と精神状態を見て決定してゆきます。盲導犬として働いていた犬たちは、引退犬ボランティアに引き取られて、余生を5年間ほど幸せに暮らします。多くの人が大変な仕事をしてきたので短命と思われ ますが、大型犬の平均寿命である12歳よりも長く生きていますのでご安心ください。見えない人と生きてゆくためには健康状態を安定させなければならないため、腹8分目で体重管理を大切に守って生きてきた盲導犬なので、内臓などを痛めていないのが長寿の要因だと思いますが、しっかりと寿命を全うして一生を終えてゆきます。盲導犬事業は、イギリスでのラブラドール・レトリーバーを使用したことによって飛躍的に発展して参りました。その血統は、今も並々と日本の盲導犬たちに受け継がれております。また、同様に社会の皆様が、盲導犬事業を応援することを持続して頂いていることで繋がっております。皆様に心より感謝申し上げます。